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ディアボロは歩きながら先程までの会話を思い出す 食事中突然苦しくなったと思ったら目の前にあの小娘だ 「“こんな目に遭いたくなければ使い魔としての立場をわきまえることね”だと、小娘め」 憤然としながら歩いていた為、何かを踏み砕いた事に気が付かなかった (気付いたとしても気にも留めなかっただろうが) 「待ちたまえ」 金の巻き毛をした少年がこちらに向かって声を掛けてきた 「何だ、小僧」 「キミが今踏み付けた壜から足をどけたまえ」 「壜だと」 確かに足の下には砕けた壜の欠片が見える ディアボロはそれを踏み躙りながら言った 「これがどうかしたか」 「足をどけろと言ったのだ、それはモンモラシーから貰った大切な物だ どけなければ彼女と僕を侮辱しているものと受け取るぞ!」 それを聞き一旦は足を持ち上げた、そして思い切り踏み下ろした 顔に向かって手袋が投げ付けられる 「ヴェストリ広場だ!そこで待つ!」 (ふん、決闘というわけか、青っちょろい小僧如きが まあいい、メイジとやらの実力を測るいい機会だ) 手袋を広げながらそう考えたディアボロは近くの人間に場所を聞き、ヴェストリ広場に歩を進めた 一連の様子を影から見ていたルイズはほくそえんだ ディアボロとギーシュの決闘 普通の人間なら大慌てで止めに走るだろうが、止める気は微塵も無い いい機会なのだ 自分が呼び出した使い魔が只の平民等では無い事示すいい機会 ギーシュはドットクラスだがれっきとしたメイジだ それを圧倒したともなれば、召喚したルイズの評価も変わるであろうというものだ 不思議な事にルイズはディアボロがギーシュに負けるとは微塵も考えていないらしい 実力的に隔絶していたとしても勝てるとは限らないのは何度も見ている筈なのにも関わらずである 「ヴェストリ広場」 日中でも余り日が差さぬ中庭で、そうであるが故に決闘がたびたび行われている場所でもある (現在では貴族同士の決闘は禁じられている為、いいとこ生徒同士の小競り合いといった具合だが) 決闘があると聞きつけた生徒達が大挙として押し掛け、広場を取り巻いている その中心で二人の男が対峙していた 「ここに居る全員が立会人だ、君が負けたなら先程の侮辱を頭を下げて謝罪して貰おう!」 「やってみろ、お前の様なマンモーニに出来るものならな」 ディアボロの言葉に激したギーシュは薔薇の花を振るい、一枚の花弁を落とした 花弁から現れた甲冑姿の女性を模した彫像に命じる 「ワルキューレ、あの男を叩きのめせッ!」 ギーシュの声と共に彫像-ワルキューレがディアボロに向かって突進する (ほう、ゴーレムという奴か、だがその程度では話にもならんわ) 「キング・クリムゾンっ!!」 観衆の中に紛れていたルイズはディアボロの傍に立つ異様な人影を見た 身長はディアボロと同じ位、金網状の模様が全身を覆い、額には小さな顔がもう一つ付いている ギーシュも観衆も誰も目を向けてはいない 誰も気付いていない?見えていないのか? ルイズははたと気付いた、 あれこそがあの不可視の人影こそがディアボロの自身の源、自分が感じたディアボロの力なのだと ワルキューレがディアボロに向かって突進する ディアボロがワルキューレに向かって突っ込む 両者の距離が5メートルを切った時 「!? な、何だ、身体が重い! 立っていられないだと! はッ!」 両者がぶつかった鈍い音が広場に響き渡り、気まずい沈黙だけが後に残った ■今回のボスの死因 転んだところにギーシュのゴーレムがぶつかり頚椎骨折で死亡
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/786.html
ああ困った困った困った弱った弱った。 「表面的には焦っていても、心の中では常にクール」がモットーのルイズちゃんだけど、こればっかりは本当にまいった。 「おいおい後がつかえてるんだぞ。さっさと終わらせろよゼロのルイズ」 「あなたのせいで私達まで使い魔無しなんてことになったらどうするのよ」 「そうだぞ、くだらないワガママ言うなよ。立派な眼鏡じゃないか」 ここでまたドカン。笑われるかわいそうなわたし。 眼鏡。眼鏡かあ。眼鏡だよねぇ。眼鏡、眼鏡。うううう。ああああ。 くうう……慌てるな。落ち着くんだ。 冷静になるんだルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。名前長っ。 「うるさいわね! あなた達ちょっと黙ってなさいよ!」 とりあえず怒鳴り返すポーズだけはとっておくとして……さてどうする。 今はまだ笑う余裕があるけど、これ以上時間を使えばまわりの空気も悪くなるでしょ。 そうなればわたしが悪者みたくなって、皆に責められる。 この後いまいちな使い魔召喚した子達はきっと 「ルイズの馬鹿が時間使いすぎやがって。おかげで俺までとばっちりさ」 「まったく、ゼロのルイズにも困ったもんだな」 ダメダメダメ。これはダメ。 なんで他人の使い魔までわたしの責任になるのよ。おかしいでしょ。 だいたいここでゴネきって再召喚させてもらうとしても、この眼鏡が出てくるまですでに呪文詠唱十七回。 十八回目も手ごたえ無しで爆発、こりゃ当然失敗したと思ったらそこにはこの眼鏡。 やり直すとしても……まあ、普通に考えて成功する見込み無し。 「さっさと契約しなさい、ミス・ヴァリエール。眼鏡の何が悪いというのかね」 この毛髪ツンドラ地帯、人事だと思っていい加減なこと言ってくれるじゃないの。 「眼鏡は悪くない」 だったらあんたの使い魔にしなさいよザ・眼鏡。 「そろそろあきらめろよゼロのルイズ!」 みんな静かに。考えがまとまらない。笑うなマリコルヌ。肉屋に卸すよ。 グラモンの馬鹿、いちいち隣の縦ロールにささやいてるんじゃない。 グラモンの阿呆、その好奇心丸出しな顔を引っ込めなさい。 うううう。どうしようかなあ。眼鏡で我慢すべきかなあ。嫌だなあ。でも使い魔無しよりは眼鏡かなあ。 フレームをつついてみた。レンズをノックして、蝶番を何回か開閉させてみる。 実体が無かったり、この世界には無い物で作られていたり、わたしに話しかけてきたりすることはない。 まごう事なき、混じりっ気無し、誰が見ても正真正銘、ただの眼鏡だ。 コレ本当に眼鏡以外の何者でもないね。なのにわたしの使い魔だってさ。困ったね。あはははははは。 もうどうにでもなれとダメモトで眼鏡をかけてみた。 お、ちょっとすごいな。かなり遠くの方までしっかり見える。 べつに目ぇ悪いわけじゃないんだけど、それでも効くもんねぇ。 ただ見た目だけじゃなく、実際的なところにも気を配ってるってわけか。 すごいねコレ。眼鏡なんだけどね。あははははははははははははははははははは。 ……なんかもうどうでもよくなってきた。疲れた。 人間であり、貴族でもあるこのわたしが、なぜ眼鏡ごときにここまで気を遣わなければならないのか。 もういいよ。眼鏡眼鏡。みんなのばーかばーか。うんこうんこ。 「ミス・ヴァリエール。気は済んだかのな」 「……はい」 なるだけ情けない顔にはならないよう振り向いたけど、あたしの努力は結局無駄に終わった。 どれだけ頑張ったっていつもこうなる。 もう本当にね。みなさんかんべんしてください。 眼鏡を額の上に押しやって、肉眼で皆を見る。普通だ。 眼鏡を鼻の上に据え付けて、レンズ越しで皆を見る。普通に全裸だ。 お前もうコラいんちき眼鏡いい加減にしなさいよ。 「どうしたのかね?」 「いえ、あの」 「気分でも悪いのかね?」 「あ、ちょ、ちょっと待ってくださいミスタ・コルベール! そこで止まって!」 全裸のまま真顔で近づいてくる人間がいればわたしもビビる。 しかも、その、なんというか、コルベール先生は他の男子に比べて、その……。 ま、まあいいや。意外な人の意外な発見は置いておくとして、問題はこの眼鏡だ。 みんなが「何やってんだこの馬鹿?」って顔でわたしを見ている。 眼鏡をかけると、全裸のみんなが「何やってんだこの馬鹿?」って顔で見ている。馬鹿はあんたらだよ。 何度か繰り返してみたけど、やっぱりこの眼鏡をかけるとおかしなことになる。 これはひょっとして、ただの眼鏡じゃない? それともわたしの頭がおかしくなった? あ、キュルケってばちゃんと下の毛も赤いのね。そりゃそうか。 「ちょっとモンモランシー」 「なによゼロのルイズ」 「あなた、昨日の晩虫に刺されたりしなかった?」 モンモランシーは怪訝な顔で 「何で知ってるの?」 「肩とか?」 「だから何で知ってるのよ」 本物だ……この眼鏡は本物だ。ひょっとしたらわたしはとんでもない物を呼び出してしまったのかもしれないぞ。 あ、キュルケのおっぱいすごい。乳房とかいうべきなのかもしれないけどあえてこう言う。おっぱい。 でかいだけだと思ってたけど大きさだけじゃないわ。大きなおっぱいにありがちな形崩れが全く無い。 トレーニングとかしてんのかな。バストアップの体操とか。 でも努力のしがいもあるよね。あれだけ大きかったらわたしだってするもん。 いいなあキュルケばっかり。おっぱい大きいし、魔法もすごいし。いいなあああ。 「ちょっとルイズ。何よ、人のことじろじろ見て」 「そっちこそ何よキュルケ。なんでわたしがあなたを見るのよ。自意識過剰なんじゃないの」 乳首の色も綺麗な桜色。褐色の肌によく映えること。いいなああああ。
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フーケの騒動があってから一週間が経ちました いろんな人たちから一目置かれるようになったルイズとドッピオ ルイズはあいかわらず魔法の腕が上がっていないのでフーケの件は使い魔がすべて行ったと周りは思っているようです その所為か決闘を申し込む貴族は殆どいなくなり、ドッピオにとっては平和な日々が続いていました そんな中 「ドッピオ、アンタ芸とかある?」 そんなことを主人から聞かれました 「芸・・・ですか?なんでまた」 いきなりそんなことを聞いてきたルイズに質問で返します 「質問を質問で返さない!・・・まあ、いきなりなのは認めるけど 今度使い魔の品評会があるのよ」 「品評会?・・・そういえば」 最近学院の中で使い魔に芸を教え込む人たちを見たことがありました 「・・・で、何かある?」 「・・・・・・」 この人たちにはスタンドは見えない。ならスタンドを使った芸でもいいかと考え 「・・・うーん」 いざ芸をしろと言われても思い浮かびません 「・・・え?もしかして特に無い?」 「・・・いえ、特に無いってわけじゃないですけど」 スタンド自体の能力は未来予知・・・これを利用した芸といって思いついたのは 「・・・手品なんてどうでしょう?」 「手品?・・・なにが出来るの?」 「そうですね・・・硬貨とかありますか?」 「あるけど・・・」 そういって一枚金貨を取り出します 「表か裏か。右手か左手か。絶対にあてることが出来ます」 「・・・それじゃこれはどっち?」 差し出した両手。ドッピオはエピタフを発動させます 「・・・右手、裏」 「・・・当たってる。でも」 二人が考えることは 「地味ね」 「そうですね」 ドッピオではどうも未来予知を生かしきる芸と言うものが思いつきません 「・・・まあ品評会は明後日だし手品だって変な力使ってやってるんでしょう?」 「そうなんですけど・・・」 「時間には猶予があるしもっとパッとした物、思いついてよ」 言うだけ言って主人は眠ってしまいました 翌日、もはや日課と化した使い魔の仕事をこなしてドッピオは自由時間を謳歌していました 「・・・品評会か」 自分を晒されるようであまりいい気分ではありません それでもやるなら驚かせるようなものをしてやろうと思い芸を考えますが (・・・学院精鋭百人連続で倒すなんてどうだろう) 変なものばかり思いつきます 「・・・やっぱりエピタフを使ったもので・・・」 ぶつぶつ言いながら廊下を歩いていると 「ドッピオー♪」 そう言って誰かが後ろから抱きついてきました。いえ、誰かなんて分かっています 考え事をしながら歩いていたドッピオはその突然のことに対応できず前のめりで転んでしまいました 「っ」 「あっと・・ごめんなさい」 抱きついてきた人はドッピオに謝ります。もちろんその人はキュルケでした 「・・・キュルケさん。いきなり抱きつくのはちょっと」 「そうね。今度からは前からにするわ。ところで」 「・・・品評会ですか?」 「ピンポーン♪ドッピオは何をするのかな?」 はっきり言ってまったく思いつきませんでした 「・・それがまだ」 「えー?ドッピオのことだからすること決まっていたと思ったのに」 残念ながらまったく決まっていません 「・・・手品」 そんな中キュルケの横で黙っていたタバサが口を開きました 「手品?ああ、そういえばルイズが言ってたわね」 現状でなにも芸が無い以上手品程度でしかドッピオには出来ません 「で?どんな手品が出来るの?」 「えっと相手がなにを持っているかとかそういう類のものなら」 事実未来を見えるドッピオにはそれが尤も簡単かつすごいと思わせるものです 「それじゃカードを使った手品をしたらいいんじゃない? カードくらいならルイズだってすぐ用意できるでしょ」 「・・それだ!」 ドッピオはいきなり叫びました 「ありがとうございます!これなら・・・」 そう言ってドッピオは走っていきました。おそらく行き先はルイズの部屋でしょう 「・・・楽しみ」 タバサが小さい声で言いました 「え?タバサ?」 「・・・なんでもない」 「ルイズさん!」 部屋に入りこんで来た使い魔がいきなり自分のことを呼びました 「なに?芸でも決まったの?」 「はい。ところでカードって用意できますか?」 「出来るけど・・・カードで手品でもするの?」 「はい」 言い切りました。ここでキュルケからの提案とかは言いません 言ったら絶対「するな」といわれますから 「カードか。やっぱり手品といえばカードかしらね」 「どうでしょう?用意できます?」 「大丈夫よ、そのくらい。で、すごいのが出来るの?」 「・・・カードが来たら見せてあげます」 (・・そんなに自信があるのなら問題ないかしら) そう思ったルイズは 「分かったわ。カード用意するからすごい手品してよね」 「もちろんです!」 13へ
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今日はッ!あの!神聖なサモン・サーヴァントの日!!! ゼロのルイズと呼ばれた少女が呼びだしたものは! ……意外!それは黒い物体だった。 ゼロの奇妙な使い魔~フー・ファイターズ、使い魔のことを呼ぶならそう呼べ~ [第一部 その出会い] 第一話 使い魔を召喚しに行こう その日、ルイズは召喚の儀を行い、毎度お馴染みの爆発が起こった。 こうまでなると周りの人は、ルイズが失敗したのをほとんど確信していたし、誰だってそうするようにからかう準備をしていた。 …しかし、煙がはれると、そこには謎の黒い物体あり、がウジュルウジュルうごめいて形をなしていっているのだ。 その姿はまさしく怪人!人型であるが人外の何か。そう、つまり使い魔に相応しいヴィジュアルのものがいたのだ。 ルイズは勝ち誇る「どうよ!成功したわよ!」 観衆と化している生徒達は各々ざわめきだす。 「なんだってぇーー!ゼ、ゼロのルイズが成功しただとぉぉー!」「馬鹿なッ!ルイズが失敗することはコーラを飲むとゲップが出るくらい確実なはずなのにッ!」「許可しなぁぁぁい!ゼロが成功することは許可しなぁぁぁぁいぃぃぃぃッ!」などなど。 ルイズが魔法を成功させるだなんて、普段失敗を目の当たりにしている生徒たちにとっては、月までぶっ飛ぶ衝撃なのである。 そんな生徒たちを尻目にして、ルイズは己の召喚したものに近づき呪文を唱える。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ……」 と。 そして接吻をする。 すると黒い使い魔は、熱さに悶え苦しみ奇声をあげたが、ある程度して熱が収まると、落ち着いたようだった。 しかし、使い魔のルーンはどこにも浮かび上がってはいなかった。 「ここは何処なんだッ!私はいったい!?ホワイトスネイク…いや、神父に始末されたはずの私がッ!なぜ生きているんだッッッ!?」 使い魔は取り乱していた。死んだとばかり思っていた自分が、今、こうして生きていることに。 「どどど、どうしたのよ!だ、大丈夫???」 ルイズが自分の使い魔を心配して声をかけてきた。 (なんなんだ、この少女は。髪でも染めているのだろうか。それよりも徐倫達は神父を倒すことができたのだろうか。徐倫達の安否が知りたいッ!) 使い魔はそう思った。そして、自分を心配して声をかけてきた少女を無視するのは失礼なので、返答する。 「あぁ、大丈夫だ。」 「そう、よかったわ。これからは私の使い魔として過ごすのよ。私はルイズ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。よろしくね。」 話がまったく理解不能!使い魔は状況が飲み込めていない!しかし話はそのまま続く。 「あなたの名前は?」 状況は飲み込めていないが、これだけは確実に答えられる。だから答える! 「……フー・ファイターズ、私のことを呼ぶならそう呼べ。」 使い魔が名前を名乗り終えると、タイミングよくルイズに声がかけられた。 「まさか、あなたが成功するなんてね。」 巨乳で小麦肌で赤毛。まさにルイズとは対照的ともいえるそんな女が話しかけてきたのである。その名はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー!ルイズとは犬猿の仲である。 「あたりまえじゃない!私が失敗するわけないでしょう!それに私の使い魔は会話もできるのよ!」 「でも、いったいどんな能力を持っているのかしら?」 (そうよ、そういえば!見たことも聞いたこともない幻獣?だわ!いったいどんな能力なのかしら。) ルイズが疑問に思ったその瞬間、 「みんな教室に戻るぞ。」 禿た教師、コルベールが指示を出した。 「じゃあねルイズ。また後で。」 キュルケがいやみったらしく、城のような建物に向けて飛んでいった。 他の生徒達も同じようにして向かっていく。 そう、ただ一人!我らがルイズを除いてはッ! 「み、水………」 そしてフー・ファイターズもピンチに陥っていた。 to be continued…
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Stage5≪ 道中1 中ボス通常1 中ボス通常2 ボス通常1 小人の茨道 ボス通常2 もっと大きくなあれ ボス通常3 輝針剣 ボス通常4 お前が大きくなあれ ウォールオブイッスン ホップオマイサムセブン 頑張ってください 道中1 中ボス通常1 3番目の隙間を斜め下に抜ける 中ボス通常2 逆ハの字と認識して突っ込む 通1通2の動画 ボス通常1 難 移動方向にもよるが霊夢Aの場合1波でギリ終了する 霊夢Bでも正面取り続けられれば2波目が来るか来ないかで終わる 中央でも左右でも無理なときは無理、あんまりその割合も変わらない気がするので中央で1波撃破狙いのが良いと思う 小人の茨道 理解の余地が(世間で言われているより)相当ある 白小弾の隙間に突っ込んで緑弾を切り返す動きを身に着ければ任意の配置避けられるはず突っ込んでから3波目で横に動くといい感じに切り返せる ボス通常2 霊夢Bの場合でも開幕密着すればグロいの来る前にお椀割れる 斜め下ちょい上に白弾誘導してから上の隅に誘導 どっちの隅でもいい 中弾は自機狙い お祓い棒分裂をやれる人限定で左上隅の方が良い 通3が斜め左下に行く関係で、左上にお祓い棒を置いていいタイミングで通3を撃破すると輝針剣で上手いことお祓い棒を針妙丸の中央に捻じ込める もっと大きくなあれ 詰む前に突っ込んで抜けるのとなるたけ打ち込むのを意識 たまにものすごい端移動連打されてどうしようもないの来る印象があるんだけど意味わからん ボス通常3 完全固定 2枚目終わった後にお椀に突っ込んで打ち込みを稼ぐ 輝針剣 難所 張り付きから入って1波目と2波目は下にちょん避け 左側にちょん避け、自機狙いの途切れるタイミングで右のワインダーが空いていたら次の自機狙いを2~3列跨ぎながら右に避ける 次の自機狙いはまたちょん避け……と繰り返していく ボス通常4 やや難 自機の動ける範囲を確認し続けて後は反射神経 お前が大きくなあれ 完パ、安定させたい ナイフを抜けたら逆側に自機を捻じ込んで次のちょん避けの開始地点と壁との距離を稼ぐ 霊夢でLNB・LNNを目指す場合でも咲夜や魔理沙でやってみると良いと思う判定が全然違う ウォールオブイッスン 固定 書くよりTWC見てもらった方が早い ホップオマイサムセブン 分からん Stage5≪
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空に輝く二つの月が一本の木を照らし出している 木には一本の剣がロープで吊り下げられていた 「おーい、降ろせー」 剣が喋っている、彼(?)は魔法によって知性を得た剣‐インテリジェンスソードで銘をデルフリンガーという 何故学院の裏庭で木に吊り下げられているかというと、ルイズが鉄をも切り裂くという剣の試し切りがしたいと言い始めた為だ 昼間の武器屋での騒動の後、ルイズは店主に「貴族の使い魔を殺すなんて…」だの「事が公になれば縛り首ね…」だの 様々な文句で脅し付け、店主の持ってきた数々の剣をロハでせしめていた (ルイズが出て行く時、店主は涙目で今にも倒れそうだった、今頃枝振りのいい木でも探しているかもしれない) 「って訳だから、はい、ちょっとぶった切ってみなさい」 ルイズはデルフリンガーを指しながらディアボロに剣を渡す 「うるせー、なにがちょっとぶった切ってみなさいだ、ぶった切られた様な胸しやがって」 デルフリンガーの言葉に額に血管を浮かせながら、周りに置いていた剣を木の方に向かって投げつける 「あっごめんなさい、いや、ちょっと、やめて」 「呪うなら、その口の悪さを呪うがいいわ」 親指を下に向けて拳を振り下ろしディアボロを促す これが本当に鉄をも切り裂くというのならデルフリンガーの運命は風前の灯だが、 適当に振るわれた剣は甲高い音と共に弾かれた 「へへーん、このデルフリンガー様はな、そんななまくらに切られる様なやわな体はしてねえってんだ」 振り子の様に戻ってくるデルフリンガーをディアボロは手で止める これで急に足が動かなくなってとか何かに気をとられている内に後ろから突き刺さると言う事は無い 不意に月が翳った ディアボロが振り返ると全高30メートルはあろうかという巨大なゴーレムがこちらに迫って来ている あれが月の光を遮ったのだ 「おい、危ねえぞ」 デルフリンガーが警告を発する 確かにこのままでは踏み潰されかねない ルイズはとうに離れて此方に向かって剣を回収しろと叫んでいる 急いでこの場を離れようとした時、いつの間にか足元に転がっていた妙な形の石に足を取られ転んでしまった 倒れた後に見えたのは巨大な足の裏だった ■今回のボスの死因 巨大なゴーレムに踏み潰されて圧死 ■おまけのデルフリンガー ボスと一緒に踏まれた時にへし折れて死亡?
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1467.html
「またあんた!?」 開けっ放しにしていたチェストを閉じようとして、そのチェストの中に仁王立ちしている存在に気づき叫ぶ。 驚きながらも、三度目の接触にフーケは即座に対応した。 すぐにUターンして窓を突き破り、外に飛び出す。 地面を転がりながらルーンを唱え、起き上がるころには宝物庫を破壊した時と同じ巨大ゴーレムが現れる。 間髪いれずゴーレムを動かし、小屋を叩き潰す。 『破壊の杖』も中にはあるが、そんなものよりも今はあれを仕留めるほうが先決だ。 超巨大ゴーレムの一発でもともとぼろかった小屋は、ほとんど全壊した。 だがおまけにもう一発。 ドォンという音ともに、砂煙が舞う。それが消える頃には小屋はすっかり消え去り、クレーターが生まれていた。 「やった……?」 緊張を込めつぶやく。変態は逃げる暇も与えられずに、小屋と一緒に潰れたはずだ。 だがフーケは全く手ごたえを感じていなかった。冷や汗が吹き出てくる。 (どこにいるんだい……たくッ急に現れたり急に消えたり……こっちの話を全く聞かないタイプね……嫌いよ) 360°前方向に感覚を向けながら、ニヤリと笑う。少しずつだが動悸も収まってきた。 冷静になれ。もう何度目か分からないその言葉を心の中で繰り返す。 冷静に…冷静に…冷静に…冷静に…冷静に…冷静に…冷静に… 「フフッ」 思わず口の端を歪ませて笑う。 探す必要も無く、変態は立っていた。ゴーレムの股の間に。 ボッーと立ったまま、こちらを睨んでいる。 冷静に! 「つぶれな!」 派手な音を立ててゴーレムに亀裂が入っていく。変態が音に反応して上を向いたちょうどその時、ゴーレムが崩壊を始めた。 今度は確実に巻き込まれるところを見届ける。確実に潰れた。 さらにその上に大きな岩が覆いかぶさっていく。 さらにさらに崩すだけでなく、フーケは岩と岩の間の隙間を錬金で埋めていく。 しばらくするとあっという間に小高い丘が完成した。 ふたたび森に静けさが戻る。空気はピンと張り詰めたままだ。 フーケはさらに杖を構えながら、じっと待つ。 十秒……勝ったはずだ……十五秒……あれで死なないはずがないじゃないか……二十秒……(杖を握る手はさらに強くなる)……二十五秒……なんで…… ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………… やはりなんの前触れも無く、潰れたはずの変態は小高い丘の上に出現した。 まるで地面から生えてきたかのようだ。 月をバックにこちらを見下ろす様は、ある一つの単語を連想させる。 (悪魔……!) いつもなら鼻で笑うであろうそんな考えを肯定するかのように、目の前の存在は地獄の底から発するような唸り声を上げる。 「オオオ……アアアア!……うおおおおおおおおああああああああああああ!!」 それをフーケはまるで他人事のように聞いていた。体が麻痺したように動かない。思考が追いつかない。 冷静に…冷静に…冷静に…逃げなきゃ…冷静に…冷静に…冷静に…冷静に……逃げなきゃ……逃げなきゃ逃げなきゃ 杖を握る手が目に見えて震え始めた。だがフーケ自身は全くそのことに気づかない。 「うあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「ひっ」 へたりとその場に腰を落とす。 悪魔は尚もうめき声を上げながら、丘の上で暴れている。その体をポロポロ崩しながら。……崩しながら? フーケはそれに気づいたとき自分が泣いているせいだと思った。涙で視界が歪んでいるからだと。 彼女のわずかに残った冷静な部分が、彼女の細い指を自分の瞳に触れさせた。 濡れてない。自分は泣いてなんかない。 …………ブラック・サバスは本当に崩れ始めていたのだ。 崩壊するゴーレムの隙間を縫うようにして避け、錬金によって埋められる前に丘の上に這い出た。 そこまではよかった。 だが人工的に作られた丘の上には影を作るものは存在しなかったし、二つの月の光はブラック・サバスにとってはいささか暴力的だった。 元の世界にいたころの月光とは比べ物にならないそれは(といってもブラック・サバスが覚えてることなどほとんど無いが) ブラック・サバスを苦しめ、確実にダメージを与えていく。 ブラック・サバスは派手にこけた。足がもげたらしい。それでもガリガリと地面でクロール泳ぎをするように動き回る。 だが半径数メートル内に逃げ場所は無かった。…………いや「いた」。 ブラック・サバスは改めてフーケを見据える。腕だけのほふく前進でフーケの所まで近づいていく。 「アアアアアアアアアア…………!!」 「うわ」 こちらが近づいていることに気づいたのか、フーケも尻餅をついたまま後ずさりしていく。 距離がジワジワと縮まっていく……。 手を伸ばす…が………限界……うう…消える……。 「が…………ま…………」 最後まで残っていたブラック・サバスの仮面も、闇に溶けていくように消滅した。 はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ………… 真夜中の森に、フーケの荒い呼吸音だけが一定の間隔で聞こえる。 力無くよろよろと立ち上がる。 変態のような悪魔……いや、悪魔のような変態?……は唐突に現れ、唐突に消えた。 もっとも今もどこかで息を潜めて、チャンスをうかがっているのかもしれないが。 だが、フーケの目の前で消えた時の様子は、今までに無い切羽詰ったものがあった。 「なんだったんだい……」 力無くうめいて、広場を見渡す。 小屋があったところにはクレーターができ、その横には小高い丘ができている。 これらは全て、あれを倒すためにしたことなのだが…… 奴はそれらを物ともしていなかった。 宝物庫前での攻防と同じだ。全くなすすべが無かった。 「なんなのよ」 再び愚痴る。それしか今はできそうに無い。 ドッと疲れが出てきた気がする。体が異様に重く感じた。 だが、すぐにでも移動しないといけない。 あれが変態か悪魔かは知らないが、魔法学院の「誰かの使い魔」なのは確かだろう。 だとしたら現在進行形で状況は悪化している。すぐにでもさらなる追っ手が来るかもしれない。 使い魔とその主は感覚を共有できるからだ。 すでに使い魔の主はフーケがロングビルであることも、この場所にいることも知ったかもしれない。 先刻までは学院のメイジ程度なら相手にしても余裕だと考えていたが、状況が変わった。 奇襲をかける側から、奇襲をかけられる側になってしまったのだ。 もう学院には戻れない。 フーケはさっさと『破壊の杖』を回収して逃げることを選択した。 「ミス・ロングビルともサヨナラね」 全壊している小屋跡を見て、『破壊の杖』も壊れていないことを祈りつつ、魔法で探索を始めた。 「おーい起きろー」 「…………むにゃ……あと5分……」 ルイズはまだ意識が夢の中にある状態でなんとか返事をした。 「そう言って起きれる奴はいねーんだよ!」 ……もう、うるさいわねサバス……いつの間にそんなにペラペラしゃべれるようになったのよ……うん? 「サバス!?」 ガバッと跳ね起きる。 が、いつもベットの横で立っているルイズの使い魔はいなかった。 「俺だって!相棒はまだ帰ってねーよ」 「そう……あー…いつの間にか寝ちゃってたんだ」 ルイズたちがフーケを逃した後、多くの教師や生徒達が集まり大騒ぎとなった。 目撃者であるルイズたちは、次の日学院長室で詳しい説明をすることになり、とりあえず各自部屋に戻る。 ルイズは途中で地面に刺さっていたデルフを回収し、部屋に戻るまでどっちが役に立たなかったかで口論になった。 部屋に戻るとルイズはまず『再点火』して、ブラック・サバスを呼んでみる。 ブラック・サバスは光に触れたり、影から出たり、ルイズの爆発に巻き込まれると消滅してしまう。 そんなときでも、慌てず『再点火』すればすぐに現れる。 だが、今回はブラック・サバスは出てこなかった。 つまり、今もどこかで「行動中」ということだ。 恐らく、ルイズの命令に従いフーケを追っているだろう。 (感覚の共有ができれば、何をしているのか分かるのに) それができないことに歯がゆい思いになる。 火を点けては消し、点けては消す。それでもブラック・サバスは現れない。 そうこうしているうちに、睡魔に負けて寝てしまっていたようだ。 「で、これから上の奴らに報告しに行くんだろ?その前に相棒呼んでみようぜ」 昨日のことを少しずつ思い出していたルイズを現実に戻すように、デルフが明るい声で提案する。 「そうね」 ルイズは言われるままに、ネックレスの『装置』に手をやる。 一度大きく深呼吸して、『再点火』する。 まだカーテンを開けてない薄暗い部屋が、いっきに明るくなった。 そして………… 「『再点火』したな!」 全く変わりない姿が出てきたことに、ホッとする反面、残念に思う部分もあった。 「おかえり。フーケは?」 「…………」 「フーケは?」 「…………」 「…………」 登場ポーズのまま固まるブラック・サバスの様子に、ルイズは予想が当たっていたと確信する。 「逃がしちゃったのね…………まぁ別にいいわ」 「ほー、おでれーた。もっと怒るかと思ってたけどな」 実際ルイズは怒っていなかった。 むしろ怒りの対象はブラック・サバスにでは無く、不甲斐ない自分に対してのほうが大きかった。 使い魔ばかりに働かせるわけにはいけない。 魔法が使える者を、貴族と呼ぶんじゃない。敵に後ろを見せない者を、貴族と呼ぶのだ。 この後、キュルケたちとオールド・オスマンに報告しに行く。 もしその時、フーケ捜索隊でも作られるなら、真っ先に自分が名乗りを上げようと考えていた。 「その…フーケを逃がしちゃったのは……私もだから…一晩中追いかけてたんでしょ?むしろ……ご苦労様」 すこし照れながら言うルイズ。静かに聞いているブラック・サバス。 「あ、でも!サバス!デルフを捨てたのは駄目よ!それとこれとは別。これは怒ってるんだからね」 「え」 ルイズの意外な言葉に反応したのは、デルフだった。 「せっかく私が買ってあげた剣を、すぐに捨てるんじゃないの!」 「あ、そういうこと」 「それ以外に何があるのよ」 ルイズはデルフを持ち上げながら、尋ねた。 「いや、俺の活躍とかを考えてくれたのかなーとか」 「そんなわけないでしょ。だいたいあんたは報告役なんだから、常に一緒にいなさい。ほら、サバス口開けて」 何気に酷いことを言うルイズの言われるとおり、ブラック・サバスは口を開けた。 「…………もう何か入ってる」 ルイズは口の中を覗きながら呟いた。 「何コレ?」 勝手に口の中からそれを引っ張り出してみる。 金属製の筒。いつも思うのだが、口の中にこんな長い物が入るのは、どういう仕組みだろう。 「変なもの拾っちゃ駄目だって言ってるでしょ」 意味は無いのだろうけど、一応注意しておく。 改めてデルフを突っ込もうとすると、デルフがその奇妙な筒に反応した。 「おでれーた。その分けわかんないのは武器だぜ」 「武器?なんで分かるの?」 「その筒をもう一回相棒に渡して、それからネックレスを見てみな」 言われるままに筒を口の中に入れ、ネックレスにした『装置』を見てみる。 「あ、ルーンが光ってる。どういうこと?」 「前にも言ったろ。相棒は使い手なんだよ。…………あれ?言ったっけ? とにかく、相棒は武器を持ったら……相棒の場合は口に入れたら、そうやってルーンが光んだよ つっても、普通は左手に出るんだけどな。俺を昔使ってた奴にも同じようなのがいた気がする」 「ふーん。よく分かんないけど……」 ルイズは使い手の説明よりも、筒が武器であることに興味がいっていた。 「じゃあ、これもしかしてマジック・アイテム?」 期待を込めて尋ねる。 ……もしかしたら……もしかしたらだけど……これがフーケの盗んだものじゃあ……!? 「それはねーな。魔力の無い相棒が武器として使えるってことは、いわゆる普通の武器ってことだ。 それを手にはめて殴ったりすんじゃねーの?」 あっさり否定される。 「何よ……もうちょっと夢見させてくれても………」 「何ブツブツ言ってんだ?そうだ相棒。これの使い方分かんだろ?見せてくれよ」 デルフは同じ武器として、筒のことを知りたいようだ。 言われたブラック・サバスはルイズの顔をじっと見ている。 (もしかして私の許可待ってんのかしら) だとしたら特に否定する理由も無いなと、軽い気持ちで考える。 「私も見てみたい。見せて」 ルイズのその一言でブラック・サバスは動きを見せる。 口の中から筒を三分の二ほど出して、なにやら色々いじっている。 その動きに全く迷いは無いようで、早かった。 「殴ったりするみたいじゃないみたいね」 嫌な予感がしつつ、手元のデルフに聞く。 「そ、そうだな」 「サバス、やっぱりや」 しゅぽっ。 そんな軽い音と共に、ブラック・サバスの口から…いや、筒の中から白煙が飛び出す。 それは部屋の窓を割りそのまま飛び出していった。 数秒後。爆音。閃光。衝撃。 そして静寂。 「…………」 「…………」 「…………」 「…………」 「…………」 「おでれーた…………」 「…………」 「…………」 「…………」 「……………………」 「……………………」 「……………………」 「……………………」 「……………………」 「……………………」 「……………………」 「……………………」 To Be 。。 「…………サバスは…………」 「…………洗濯にいった…………」 To Be Continued 。。。。?
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その日、マルトーに夕食を御馳走になった後、年代物が手に入ったといって振舞われたワインに気をよくし、ついつい長居をしてしまったヴァニラが部屋に戻ると、既にドアに鍵が掛けられていた 「おい、ここを開けろ」 酒精のおかげで多少おおらかになったヴァニラは即座にプッツンする事は無かったが多少いらついた口調でドアをノックする が、反応は無い 気配を感じる以上中にいるのだろうが寝ているのか無視しているのか・・・・恐らく後者だろう しかも足元には御丁寧に綺麗に畳んだ毛布まで置いてある ヴァニラは知る由もないが食事を終え部屋へ戻ったルイズは部屋にいない使い魔を探しに出て、ヴァニラが厨房でシエスタやマルトーたちとささやかな品評会を催しているのを見て機嫌を損ね、このような行動に出ていた しかし先記した通りヴァニラはそのことを知らない、つまりまたルイズの高慢さから出た自分勝手な行動だと認識する・・・・つまり挟み撃ちの形にならない バリバリとドス黒いクレヴァスが口を開け始め新しい入り口を新設してやろうか等と思い始め、即座に行動に移そうとしたのとほぼ同時に、廊下の向うからペタペタと四足歩行生物の足音が聞こえてきた 「む?」 クリームの口内へ潜り込もうとしていたのを中断し、音の方へ顔を向けると廊下の暗がりから微かに光る一対の瞳と、赤々と燃える炎が近づいてくる 「お前は・・・・」 それは今までこそこそと影からヴァニラを監視していた爬虫類 堂々と姿を現したのを戦意アリと認識したヴァニラがクリームを飛ばそうと身構える が、相手はそれを否定するように首を振り、きゅるきゅると人懐っこい鳴き声を出す 何故かヴァニラはその鳴き声の意味が理解できたような気がし、しゃがんで視線を合 わせ、問いかけてみた 「お前は・・・誰の使い魔だ?」 「きゅるきゅる」 その問いに答えるようにサラマンダーはルイズの隣の部屋へ平べったい顔を向けた 「・・・・・隣か、迂闊だったな」 眉間に皺を寄せ、苦々しく呟くヴァニラを他所に、サラマンダーはついて来いと催促 するようにヴァニラのジャケットの裾を引っ張る 「・・・いいだろう、何の用か知らんが理由も聞きたい」 ヴァニラは軽く溜息を漏らし、隣室のドアをノックする 「どうぞ」 返って来た女の声に、女子寮なので当然といえば当然だが――呼吸を整えると不意打ちに身構えつつドアを開け、足を踏み入れる しかし、部屋の中は真っ暗だった ヴァニラの後からついてきたサラマンダーの周りだけぼんやりと明るく光っている DIOの館で暗闇には慣れていたが召喚されて以来光のある生活が当たり前になっていた ヴァニラには先の見通せないでいた 不意打ちに備え急所を庇うようにクリームを展開させるが魔法の変わりに女の声が聞こえてきた 「戸を閉めて?」 ヴァニラは言われた通りにした 逃げ道なら簡単に作れる 「ようこそ、そして初めまして・・・・でもないわね。こちらにいらっしゃい」 「この蜥蜴を通してみていたのか?」 その場から動かずヴァニラは淡々と訊ねる ここは既に相手の領域、これ以上主導権を奪われるわけには行かない 相手が戦うつもりであると信じ込んでいるヴァニラは臨戦態勢だった 「ええ、それに直接見ることもあったわ。ねぇ、そんなに堅くならないでこっちにいらっしゃいな」 地の利と視角、絶対有利なはずのこの状況で攻撃もせず、誘うような相手の声にヴァニラは漸く疑問を持ち始める 「しかし暗いぞ」 指を弾く音が聞こえた すると部屋の中に置かれたいたロウソクが一本ずつ燈っていく ヴァニラの近くに置かれていたロウソクから順に火は燈り、ベットの傍のロウソクがゴールだった 道のりを照らす街灯のように、ロウソクの灯が浮かんでいる ぼんやりと淡い幻想的な光の中、ベットに腰掛けた褐色の肌に深紅の瞳と頭髪を持つ女の悩ましげな姿があった ベビードールというのだろうか、そういう誘惑するための下着を着けている・・・・ というかそれ以外はなにもつけていない それを見たヴァニラの感想は (・・・・・・・・痴女か?) 冷めていた 何せDIOの配下に扇情的な衣装の女が一人いたうえに食料の女たちも似たり寄ったりで今更動じる事は無かった だが殆ど透けたような生地の下着を持ち上げる盛り上がりには多少驚いたが そのベクトルもルイズと同い年でどうしてここまで違うのかという ルイズが聞いたら激怒するであろうものだった 勿論学園のシステム上同学年であっても年齢は違うのだが それにしてもこの差はないだろう 女はヴァニラの視線を勘違いしたのか微笑み、名乗った 「名乗るのが遅れたけど私の名前はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプトー、キュルケと呼んでくださってけっこうよ?」 名乗る際にクセなのか軽く前髪を掻き揚げるが、その動作すらも計算したように悩ましげな様子を見せる 「ではキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプトー嬢、既にご存知だろうがこのヴァニラ・アイスに何のようだろうか?」 一度聞いた名前を一字一句間違えず返し、軽い皮肉を込めて訊ねる 「あん、つれない人ね。そんなところに突っ立ってないで、いらっしゃいな」 キュルケはヴァニラの問いに答えず色っぽい声で誘う 望む答えが得られず軽い落胆の溜息を吐くとヴァニラは諦めたよう、誘われるままにキュルケの元へ向かった 「座って?」 ヴァニラは言われたとおりにキュルケの隣に腰掛けた 裸に近いキュルケの隣にいても至って平静を保っていたが流石に多少の興味は湧き ・・・・・DIOの姿を思い浮かべると即座に消えた 「改めて聞くが、何の用だ?」 至って平静を保った声でヴァニラが言った 燃えるような赤い髪を優雅に掻き揚げ、キュルケはヴァニラをみつめる ぼんやりとしたロウソクの灯に照らされたキュルケの褐色の肌は野性的な魅力を放ち、ヴァニラ以外の誰かをどうにかしそうになる キュルケは大きく溜息を吐き、そして悩ましげに首を振った。 「あなたは、あたしをはしたない女だとおもうでしょうね」 「まったくだ」 「思われても、しかたがないの。わかる?あたしの二つ名は『微熱』」 「知らん。熱なら水でも被って醒ませ」 突然の口上に呆れたように受け答える 「あたしはね、松明みたいに燃え上がりやすいの。いきなりこんな風にお呼び出ししたりしてしまうの。わかってる、いけないことよ」 「理解していて抑えられないのか、最低だな」 ヴァニラは早く解放されて適当に相槌を打った 正直相手の意図がさっぱり読めない 読めないのが逆に恐怖になりつつある 「でもね、あなたはきっとお許しくださると思うわ」 キュルケは潤んだ瞳でヴァニラを見つめた 確実にヴァニラが言った事を理解していない 「・・・・・・・・何故?」 キュルケはすっとヴァニラの手を握ってきた 一本一本、ヴァニラの手を確かめるようになぞり始めた ヴァニラの背筋に悪寒が走った 「恋してるのよ。あたし。あなたに。恋はまったく、突然ね」 「まったく突然だ。ところで帰っていいか?」 ヴァニラは真顔で切り返すがキュルケの顔は真剣そのものだった 「あなたが、ギーシュを倒した時の姿・・・・。かっこよかったわ。まるで伝説のイーヴァルディの勇者みたいだったわ!あたしね、それを見て痺れたのよ。信じられる!痺れたのよ!情熱!あああ、情熱だわ!」 「・・・・情熱か、で?」 「二つなの『微熱』はつまり情熱なのよ!その日からあたしはぼんやりとマドリガルを綴ったわ。マドリガル、恋歌よ。あなたの所為なのよ、ヴァニラ。あなたが毎晩あたしの夢に出てくるものだから、フレイムをつかって様子を探らせたり・・・・。ほんとうにあたしってばみっともない女だわ。そう思うでしょう?でも、全部あなたの所為なのよ」 ヴァニラはなんと答えればいいのかわからずにじっと座っていた とうか答える答えない以前に言い知れぬ恐怖を感じていた キュルケはヴァニラの沈黙をイエスと受け取ったのか、ゆっくりと目を瞑り唇を近づけてきた 確かにキュルケは魅力的だ カリスマ性こそ比べるべくも無いが女性という点ではDIOより明らかに魅力は上のはずだ、ヴァニラも男である どうせ元に戻る当ても無い、このまま流されてしまうのもありか、などと一瞬浮かぶが・・・・・キュルケの肩を押し戻した なんとなく、悪い予感がした どうして?と言わんばかりの顔でキュルケがヴァニラをみつめる ヴァニラはキュルケから目を離さず 「つまり今までの話を要約するとお前は惚れっぽい」 それは図星のようでキュルケは顔を赤らめる ヴァニラにしては何を今更、といったところだが 「そうね・・・・・。人より、ちょっと恋ッ気は多いのかもしれないわ。でもしかたないじゃない。恋は突然だし・・・・」 キュルケがその台詞を言い終わらぬうちに、窓の外が叩かれた そこには恨めしげに部屋の中を覗く一人のハンサムな男の姿があった 「キュルケ・・・・。待ち合わせの時間に君が来ないから来てみれば・・・・」 「ペリッソン!ええと、二時間後に」 「話が違う!」 ここは三階だがどうやらペリッソンと呼ばれた生徒は魔法で浮いているらしい キュルケは煩そうに胸の谷間に差した派手な魔法の杖を取り上げると窓のほうを見もしないで杖を振る その動きに同じてロウソクの火から炎が大蛇のように伸び、窓ごと男を吹き飛ばした 「まったく、無粋なフクロウね」 ヴァニラはすっかり元のように冷め切った目でその様子をみつめていた 「でね?聞いてる?」 「今のは?」 「彼はただのお友達よ。とにかく今、あたしが一番恋してるのはあなたよ。ヴァニラ」 キュルケはヴァニラに再び唇を近づけた しかしそれを阻むように今度は窓枠が叩かれた 見ると悲しそうな顔で部屋の中を覗き込む精悍な顔立ちの男がいた 「キュルケ!その男は誰だ!今夜は僕と過ごすんじゃなかったのか!」 「スティックス!ええと、四時間後に」 「別けはともかく理由を言えッ!」 怒り狂いながら男は部屋に入ろうとするが再びキュルケが杖を振ると同じようにロウソクの火から生まれた蛇が男を飲み込み、地面に落ち ていった 「・・・・今のも友人か?」 「彼は、友達というよりはただの知り合いね。とにかく時間をあまり無駄にしたくないの。夜が長いなんて誰が言ったのかしら! 瞬きする間に太陽はやってくるじゃないの!」 キュルケはヴァニラに唇を以下略 今度は窓だった壁の穴から悲鳴が聞こえた 既に予想はついていたが、ヴァニラは呆れたように窓の外に目を向ける 窓枠で三人の男が押し合いへし合いしている 三人は同じに同じ台詞を吐いた 「キュルケ!そいつは誰なんだ!恋人はいないって言ったじゃないか!」 「マニカン!エイジャックス!ギムリ!」 今まで出てきた男が全員違うのにヴァニラは感心した (まるでホルホースだな。あいつはきちんと折り合いをつけてそうだが・・・) 「ええと、六時間後に」 キュルケが面倒そうにいうと 「朝だよ!」 三人は仲良く唱和した キュルケはうんざりした声でサラマンダーに命令した 「フレイムー」 きゅるきゅると部屋の隅で寝ていたサラマンダーが起き上がり、三人が押し合っている窓だった穴に向かって炎を吐いた それをもろに浴びた三人は仲良く地面にキッスすべく落下していく 「今のは?」 ヴァニラは分かりきったことを敢えて尋ねた 「さあ?知り合いでも何でもないわ。とにかく!愛してる!」 キュルケはヴァニラの顔を両手で挟むと真っ直ぐに唇を奪おうとする その時、ドアが物凄い勢いで開けられた 正しくは内側に向かって吹き飛ばされた また男か、と思ったら違った ネグリジェ姿で杖を持ったルイズが立っている キュルケはちらりとルイズを見るがドアが吹き飛ばされたにも関わらずそのままヴァニラの唇を奪おうとするが、ルイズが杖を振り上げた のを見てヴァニラがキュルケを突き飛ばす、 それに僅かに一瞬遅れて先程まで二人の顔のあった場所の延長線の壁が爆発した 「キュルケ!」 小さく舌打ちし、艶やかに部屋を照らすロウソクを一本一本忌々しそうに蹴り飛ばしながら、ルイズは二人に近づいた ルイズは怒る男口より先に手が動き、さらに起こると手より足が先に動くのだった ヴァニラに似ている気がするがきっと気のせいだろう キュルケは起き上がりながらルイズに今気づいたように顔を向ける 「取り込み中よ。ヴァリエール」 「ツェルプストー!誰の使い魔に手を出してんのよ!」 ヴァニラは我関せずといった様子で成り行きを見守っている ルイズの鳶色の瞳は爛々と輝き、火のような怒りを表している 「しかたないじゃない。好きになっちゃったんだもん」 キュルケは両手を上げた ヴァニラは二人の間に挟まれ心底面倒臭そうにしている 三人の温度差が物凄く激しい、ひょっとしたら陽炎が出来ているかも知れない 「恋と炎はフォン・ツェルプストーの宿命なのよ。身を焦がす宿命よ。恋の業火で焼かれるなら、あたしの家系は本望なのよ。 あなたが一番ご存知でしょう?」 キュルケは上げた両手を竦めて見せた ルイズの手がわなわなと震える 「きなさいヴァニラ」 ルイズはヴァニラをじろりと睨む それに応じるようにヴァニラは立ち上がり、それを見ていたキュルケが追いすがるように裾を掴む 「あら、お戻りになるの?」 キュルケは悲しそうにヴァニラを見つめる キラキラとした目が、悲しそうに潤む 「・・・・・・」 だがヴァニラは可哀想だけど明日には以下略な目で見るとルイズに促されるままにさっさと歩き出した 部屋に戻ったルイズは身長に内鍵を閉めるとヴァニラに向き直った 「まるでサカリのついた野良犬じゃないの~~~~~~~~~ッ!」 声が震えている ルイズは怒ると口より先に手が動き、手より先に足が動く、もっと怒ると声が震えるのだ その震える声でツェルプストーとヴァリエールの長きにわたる因縁を語り始める ヴァニラは初めは面倒臭そうにしていたがどうやらDIOとジョースター家のような関係なのだと理解した したのだが (それは殆ど逆恨みじゃないのか?) 領土の問題は別として恋人云々の話は明らかに逆恨みだ しかも寝取られたということは開いてのほうが魅力的だったということだろう このヴァニラ、どこまでもドライだった 一頻り文句をぶちまけ、乗馬用の鞭を振るうだけ振るったルイズは肩で息をしながらヴァニラを睨みつけている まだ何か言う事はないかと必死に考えているようだが怒り心頭の頭では何も浮かばないらしい 因みに鞭は振り下ろす度に先端を削り取られ今は持ち手以外残っていなかった、勿論ヴァニラにかすりもしていない 「そうか、わかった。今後気をつけよう」 そのタイミングを見計らったようにヴァニラが頭を下げる それでも何か言おうとするが文句を言い尽くしてしまった後では何も出てこない 「そ、そう。分かればいいのよ!」 仕方なく威厳を保つようにちっぽけな胸をそらしてみせた 「今度から何かあったらきちんと断りなさいよ、脅してもいいわ」 ルイズは物騒なことをぬかしたが、流石にクリームで消し飛ばしたとあっては責任問題としてルイズにも累が及ぶ、暫し考え 「あんたに剣を買ってあげる」 「剣?私には必要ない」 ヴァニラは即答するが 「いいから持ちなさい、あんたいつかあのわけの分からない力で人を殺しそうで見ちゃいられないのよ」 先程隣人の顔面に向けて失敗魔法をぶつけようとした人間の台詞とは思えない 「明日は虚無の曜日だから街に連れてってあげる」 ヴァニラの意思を無視して明日の予定を決めるとルイズはベットに潜り、灯りを消す 「おい、私は中で寝ていいのか?」 「いいわよ。またキュルケに襲われたら大変でしょ」 ヴァニラの問いに面倒臭そうに答えると程無くして静かな寝息を立て始めた 灯りの落ちた部屋で小さく溜息を吐き、ヴァニラは毛布に包まって横になる まだ何か嫌な予感がするが、きっと気のせいだと言い聞かせ、そのまま眠りに落ちた To Be Continued...
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++第四話 ゼロのルイズ②++ 「これは?」 「あんたの朝食よ」 床に置いてある皿を指差して、ルイズは言った。 皿の上にはいかにも固そうで、まずそうなパンが乗っている。 それと、おまけ程度に肉のかけらの浮いたスープ。それだけだ。 「椅子は?」 「あるわけないでしょ。あんたは床」 確かに自分は使い魔になると言った。でも、この仕打ちはあんまりじゃないだろうか。 花京院の中で葛藤が生まれる。ここまでされても許すのか、それとも怒るのか。 しかし、ルイズはさっさと花京院を無視し、食事の前の祈りを始めてしまった。 「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今朝もささやかな糧を我に与えたもうたことを感謝いたします」 他の生徒たちの唱和も重なり、食堂に響き渡る。 怒るタイミングを逃してしまい、花京院は握り締めた拳を下ろした。 食事はお世辞にもおいしそうとは言いがたいが、あるだけましだ。もし、彼女に召喚されていなかったら食事にさえありつけなかったかもしれない。 それに比べたらましだろう。たぶん。 パンを一口かじってみたら、予想通り固かった。 明日からはなんとかしよう。絶対に。 花京院は静かに決意した。 朝食を終えると、生徒たちはそれぞれ教室へと移動する。 ルイズと花京院がやってきたのは大学の講義室のような教室だった。 二人が教室に入ると、生徒の視線が二人に集中する。 からかうような視線や好奇心むきだしの視線に、思わず花京院は反感を覚えた。 笑い声の木霊する教室を歩き、席につく。 「あんた、なに椅子に座ってんのよ」 ルイズが文句を言うが、さすがにここまでは譲れなかった。 鋭い視線をルイズに向け、花京院は言った。 「このぐらいは構わないだろう」 穏やかながらも、その言葉に含まれたものを感じ取ったのか、ルイズはもう何も言わなかった。 扉が開いて、教師が入ってきた。 紫色のローブに身を包み、帽子をかぶった中年の女性だ。ふっくらとしていて、優しい雰囲気を漂わせている。 「あの人も魔法使いなのかい?」 「当たり前でしょ」 呆れたようにルイズは言う。 花京院は教師に視線を向けたまま、密かにスタンドを出してみた。 彼のスタンド、『法皇の緑(ハイエロファントグリーン)』を床の下で移動させ、教室の中央の空間に出現させる。 もしも、スタンド使いならば何らかの反応があるはず。 そう思ってのことだったが、教室にいる生徒はぴくりとも動かなかった。どうやら本当にスタンドが見えていないらしい。 スタンド使いはいない。そう考えてもよさそうだ。 花京院は何食わぬ顔でスタンドを回収した。 何も気付かなかった教師はまん丸の瞳で教室を見回すと、満足そうに微笑んで言った。 「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」 シュヴルーズはルイズの隣に座る花京院を見て、目を大きくした。 「おやおや、変わった使い魔を召喚したものですね。ミス・ヴァリエール」 とぼけたシュヴルーズの声に、教室に笑いが巻き起こった。 ルイズはうつむいている。 笑い声に満ちた教室で、誰かの声が響いた。 「ゼロのルイズ! 召喚できないからって、その辺歩いてた平民を連れてくるなよ!」 その時、ルイズは立ち上がった。 長い、ブロンドの髪を揺らして、鈴の音のような澄んだ声で怒鳴る。 「違うわ! きちんと召喚したもの! こいつが出て来ちゃっただけよ!」 「嘘つくな! 『サモン・サーヴァント』ができなかったんだろう?」 ルイズは声の主をにらみつけると、シュヴルーズに視線を移した。 「ミセス・シュヴルーズ! 侮辱されました! かぜっぴきのマリコルヌがわたしを侮辱したわ」 「かぜっぴきだと? 俺は風上のマリコルヌだ! 風邪なんか引いてないぞ!」 「あんたのガラガラ声は、まるで風邪でも引いてるみたいなのよ!」 マリコルヌは立ち上がり、ルイズを睨みつける。 教壇に立ったシュヴルーズは首を振って、小ぶりな杖を振った。 立ち上がった二人は糸の切れた人形のように、すとんと席に落ちた。 「ミス・ヴァリエール。ミスタ・マリコルヌ。みっともない口論はおやめなさい」 いさめるようなシュヴルーズの言葉に、ルイズは申し訳無さそうにうなだれる。 いつもの生意気な態度が嘘のような変わりようだった。 「お友達をゼロだのかぜっぴきだの呼んではいけません。わかりましたか? 「ミセス・シュヴルーズ。僕のかぜっぴきはただの中傷ですが、ルイズのゼロは事実です」 くすくすと教室から笑いがもれる。 シュヴルーズは厳しい顔で教室を見回し、杖を振った。 忍び笑いしていた生徒たちの口に、どこからか現れた赤土の粘土が張り付く。 「あなたたちは、その格好で授業を受けなさい」 教室は静かになった。 こほんと咳払いをすると、 「それでは授業を始めますよ」 そう前置きをして、シュヴルーズは説明し始めた。 魔法に興味のあった花京院は熱心に授業を聞いた。 わからないところはルイズに聞きながら、魔法についての知識を吸収していく。 魔法には『火』『水』『土』『風』という四つの基本的な属性がある。 その他に、失われた系統魔法の『虚無』があるが、今は使えるものがいない。 属性を組み合わせることによって、より強力な魔法が使える。 組み合わせられる属性の数によってメイジのレベルが決まるようだ。 そこまで聞いたところで、シュヴルーズの説明は終わった。 「それでは、実際にやってみてもらいましょう」 誰に当てようか生徒たちの顔を順々に眺めていたシュヴルーズはルイズと目があった。 シュヴルーズは柔らかい笑みを浮かべた。 「ミス・ヴァリエール。あなたにやってもらいましょうか」 生徒の視線がルイズに集まる。そのどれもが恐怖と心配の入り混じっていた。 いつまでも立ち上がらないルイズを花京院は不思議に思った。 「行ってきたらいいじゃないか。ご指名だろう?」 花京院も促すが、ルイズは困ったようにもじもじするだけだ。 シュヴルーズは再度呼びかけた。 「ミス・ヴァリエール! どうしたのですか?」 「先生」 おずおずと手を上げたのはキュルケだった。 「なんです? ミス・ツェルプトー」 「やめといた方がいいと思いますけど……」 「どうしてですか?」 「危険です」 キュルケは、きっぱりと言った。 その言葉に、教室のほとんど全員が頷く。 ルイズのこめかみがぴくりと震えるのを花京院は見た。 「危険? どうしてですか?」 「先生はルイズを教えるの初めてですよね?」 「ええ。でも、彼女が努力家だということは聞いています。さぁ、ミス・ヴァリエール。やってごらんなさい。失敗を恐れていては、何もできませんよ?」 「ルイズ。やめて」 キュルケが蒼白な顔で言った。 しかし、ルイズは立ち上がった。 「やります」 緊張した顔で、ルイズは教室の前へと歩いていった。 花京院はその様子を後ろから眺める。 「そう緊張しなくても大丈夫ですよ。錬金したい金属を強く心に思い浮かべるのです」 ルイズの隣でシュヴルーズは笑いかけた。 こくりと、小さな頭が上下に動く。 机の上に乗った小石を睨みつけ、ルイズは呪文を唱え始める。 その様子はいかにも魔法使いらしくて、花京院は少し感心した。 ルイズは呪文を唱え終えると、杖を振り下ろした。 ――その瞬間、机ごと小石は爆発した。 爆風をもろに受けたルイズとシュヴルーズは黒板に叩きつけられた。 机の破片があちこちに飛んでいき、窓ガラスを割り、何人かの生徒に当たる。 爆発に驚いた使い魔たちが暴れだす。キュルケのサラマンダーが火を吐き、マンティコアが窓から飛び出していく。 外から大蛇が忍び込み、誰かのカラスを飲み込んだ。 教室の至るところから悲鳴が起こり、物の破壊音が響き渡る。 キュルケは立ち上がると、ルイズを指差した。 「だから言ったのよ! あいつにやらせるなって!」 「もう! ヴァリエールは退学にしてくれよ!」 「俺のラッキーが! ラッキーが食われたー!」 花京院は呆然とその光景を眺めた。 黒板に叩きつけられたシュヴルーズは床に倒れたまま、ぴくぴくと痙攣している。 ルイズの顔はすすで真っ黒になり、制服もぼろぼろだった。 しかし、さすがというべきだろうか。ルイズは落ち着いていた。 顔についたすすをハンカチで拭い、淡々と感想をもらした。 「ちょっと失敗みたいね」 当然、他の生徒たちが反発した。 「ちょっとじゃないだろ! ゼロのルイズ!」 「いつだって成功の確率、ほとんどゼロじゃないかよ!」 花京院はやっと、『ゼロのルイズ』の意味を悟った。 そして、これからの行く末に暗雲が立ち込めていくような、そんな気がした。 ゼロのルイズに、スタンド使いの自分。 どちらもこの世界では異端の存在のようだ。 そんな二人が、果たしてこのまま無事にいられるのだろうか。 花京院の不安は尽きることがなさそうだった。 To be continued→